愛用しているHHKB pro2の『U』キーがとても硬くなった。購入したのが昨年1月なので、一年と8ヶ月ほど毎日使っている計算になる。もちろんコマメに掃除はしているが、ちゃんとしたメンテナンスとなるとやったことがなかった。どのキーを打ってもカチャカチャ音はひどく、購入当時と比べて使いづらくなっていた。
そういうわけでメンテナンスを決行。作業工程としては次の三つ。
- キートップをはずす
- キートップの洗浄
- ボードの汚れ取り
- 油をさす
一番大事なのは『4.油をさす』なので、しっかりやっていこう。
キートップをはずす
まずキートップリムーバーでキーをひとつずつはずす。
スペースキーのところにはバネが挟まれているのでなくさないよう注意されたし。
キートップの洗浄
キートップは洗面器にお湯を張ってかるく洗う。
面倒だったので洗剤は使わなかったが、お湯でもけっこうゴミや汚れが浮いてきた。
ボードの汚れ取り
こちらはキートップをすべて除去したボード部分。かなり汚い。
汚れをエアーダスターでふっとばす。
油をさす
シリコンオイルを塗る。金属用のグリスよりも樹脂用のシリコンオイルのほうがオススメ。
Amazonで600円くらいだった。
塗布効果は絶大で、お試しで軽く塗ってみた動画が下のもの。前段2つのキーが塗る前のもので、奥段の3つが塗った後のもの。かなり音が小さくなっているのがわかる。これはお試しなので少ししか塗っていないが、検証の結果、塗れば塗るほど音はマシになっていくとわかった。
ちなみに購入当初のpro2には、きちんとこうした油が塗られていたようだが、キートップを外してボードの拭き掃除を繰り返した結果、油まですべて拭き取られてしまった模様。それ以外にも、油なので経年の揮発もあっただろう。
シリコンオイルの塗り方は、ボードに円筒形のキー軸があるので、外周部分に塗りたくる。
音はできるだけ小さくしたかったので、オイルが滴るレベルで塗り込んだ。
キー軸の下には、キー軸(樹脂)と基盤の接触点を保護するためのシリコンカバーがついており、多少塗りすぎても基盤にたれる心配はない。
また、たまにやっている人がいるが、ボードのネジを外して基盤を露出させる必要はない。やっても問題はないがpro2の軸受構造だと、分解してオイルを塗ったところでさほど効果が上がるとは思えないからだ。塗ったオイルは重力にしたがって軸受全体に染み渡っていくので心配ない。
完成
購入当初のようなコトコトとした打鍵音が戻ってきた。カチャカチャ音はまったくしない。樹脂製のキー軸の可動部分はシリコンオイルの被膜が覆っている。オイルの粘性が軸の拙速な動きをおさえ、そのおかげで音がマイルドになっているようだ。
打鍵感としてはすこしだけ重くなった気がする。戻りもほんの少しだけ遅くなったかもしれない。ただヨドバシ梅田で展示品のHHKB pro2を触ってみたときもそんな感じだったので、メンテ前のキーボードは油がとれて、打鍵感軽すぎ・戻り早すぎ(アブソーバーとしての油膜がない→そのせいで音がカチャカチャ)になっていた模様。
結果としてメンテして大満足だった。久しく忘れていたが、これこそ二万円超の価格に恥じない優良キーボードHHKB pro2である。